日記

すみっこで生きてるわたし

存在意義 

久々に神と呼べるくらいの作品を観られたので余韻に浸ろうかと

本作品は86ーエイティシックスー 

テーマ分類で言うと差別、戦争とか

人間の醜さとか戦争で人が失命したり苦しみがある中で、どう生きていくのかを考えながら登場人物が前に進んでいくって感じの話(うまく形容できない)

2クール分の話数で原作ノベルの一部がまとまってた。

重いテーマではあるけどこういうテーマは人間の本質に迫っているようで結構好きだ

作画の力の入り方や音楽の挿入の位置なんかも作品をより一層引き立てる要素になっていた

特に後半クールのOPが曲も歌詞も最高すぎて神すぎる

(要するにこれが言いたかっただけ)

89秒の間の曲の盛り上げ方、本作とのリンクを感じられるように意識された歌詞、

そこの加わる抜かりのないOP作画を何回も見せられて何回も込み上げるものがあった。

前半クールと繋がっている要素もしっかりあるので過去の話を想起しながらOPを見ることで1週間空いても作品の世界観に切り替えてから中身の話に繋がることで作品への没入感も深まっていた気がした(一気見してたから過去話の内容を強く覚えているってのはあるだろうけど)

前半クールのOPが解釈がOP内だけでは難しいという対比もあって、後半は歌詞を聴いただけで作品とのリンク部分が簡単にわかると言うのも大きいと思う。

アニメのOPは基本は作品に寄り添うようにできているから、他のアニメも同じような要素は取り入れてるとは思うけど、それを89秒でここまで表現できるOPはあまりなかった気がする。

最初の方に書いたテーマがある中で、そこからブレないように恋愛とか他の要素はなるべく抑えてテーマを濁らせないところもよかった

 

この作品で深く考えたキーワードは「価値観」と「存在意義」

戦場から遠くの一切の闘いのない平和とも呼べるような環境も、過ごしてきた環境によっては何か違うと感じる人もいるし、それを押し付けて強制するのは、その人たちの尊厳を踏み躙ることである、と言うのは平和な世の中でしか生きたことのない人間には気づけない視点だった。この描写は特に刺さった。

もう一つの「存在意義」について

なぜ生きるのか、何を目指して生きるのか。

人はいつか死ぬんだからみんな死に向かっていってるのは同じ。どうせ死ぬとしても、死に方くらいは選べるだろう、だから死ぬまでの過程に意義を見出してそれを誇りとしようとする86の考え方がすごく好きだ。

生きる理由に対して虚空を彷徨う自分にとって取り入れたい見解であったし、作品によって多少救われた部分もあるのかもしれない。

こういう考え方は決して自分の身の回りだけじゃなかなか目の当たりにできないから、アニメを見る、ということは新たな世界観、価値観に触れられる素敵なことだとも思える。もっとも、そういう意識で作品を見るようになってから、そう捉えられるようになったのだけれども。これが成長した、ということなのかな、多少なりとも。

 

作品の中で生きる目的を一つ達成した人物に対して、新たな意味を与えたのはその人物以外の人物、他人である「誰か」だった。

やはり、「誰か」という存在は人間にとって大きな意味を持つものになり得るんだなと。そんな誰かに出会えたなら、それより素晴らしい人生なんてなかなか思いつかない。何を費やせばいいのだろう?生きる理由、存在意義を探すために生きる、っていうのもメタいけど悪くないのかもしれない。

 

戦う場所は違っても、戦わなければただやられて死ぬだけ。

それは今いる世の中でも同じことが言える。

つい最近まで、疲れるのが嫌だから、傷つくのが嫌だから、そんな理由で戦わずに済む方法論ばかりを追い求めてた。

でも今日までなんとか、のらりくらりとでも、生きてきたからこの文章を書けてる。

生きていれば何か起きる。塵よりも見つからないそんな僅かな可能性のために、死までの回り道をするのも、案外悪くないのかもと思えた。それだけでこの作品に出会えてよかった。

 

P.S.

誰にも見せるつもりのない感想文だからやたら抽象的に書いているけど、本当はもうちょっと具体的に書かないと文章的には失格なんだろうなあ

一つ言えることがあるとすれば、軍服レーナ美人すぎて好きです、髪の一部赤いのとか最高です。純粋に。