そんざい
地球上には、他種の生物を喰らい、有害物質を生み出しては放出し、同族同士で争いあう生物がいる。
その種は自らの非を認めず、自らを正しいと思い込み、他者に責を負わせる、愚かな種である。
その種は進化を遂げたのち、生物の頂点に立った。そして、都合の悪いものを悉く排除してきたが限界に達し、環境との共存を目指そうとしている。
その種は唯一自我を持ち、言語を操り、思想を持つ。多様性が有るが故に、奪い合い、争い合うのだ。
その種は、地球上で生き延びるため、様々な技術を生み出した。その過程で、生産手段を持つ者が持たざる者をかい、モノを生み出す構造が作られていった。
そしてその種は、持つ者と持たざる者に二分化された。
両者とも愚かである。持つ者は取り尽くせるものをどんどん取り尽くし、自らを大きくし、さらに取り尽くしてゆく。
持たざる者は、自らが搾取されていることに対し、自ら立ち上がることをせず、他者にそれを任せる。
勿論、どちらにも例外は存在する。しかし例外とは通例・原則があってのものであり、数的観点から言えば確実に少数という区分に分類される。
故に、種の大半は愚かなのだ。
そう、存在そのものが、もはや罪なのだ。